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簿記2級は転職で有利になる?採用担当が見ているポイントと年代別の現実

「簿記2級があれば転職で有利になる」という話は本当でしょうか。

資格スクールのサイトを見ると「有利になる」と書いてある一方で、

転職経験者の口コミには「思ったほど評価されなかった」という声も少なくありません。

この食い違いの原因は、「誰が・いつ・どこに転職するか」によって評価がまったく変わるためです。

この記事では、簿記2級合格者として転職市場のデータと採用担当者の視点を調べた結果を、

年代別・状況別に正直にお伝えします。

結論から言えば、20代で経理未経験なら強力な武器になる。30代以上なら組み合わせ次第というのが現実です。

自分の年齢や状況に合ったリアルな評価を知ることで、転職活動の方針が明確になります。

目次

採用担当者が簿記2級に対して感じること【率直な評価】

採用担当者の視点から、簿記2級はどのように評価されているのかを整理していきましょう。

プラス評価:知名度が高く「基礎知識あり」と判断されやすい

日商簿記2級は、採用担当者のほぼ全員が知っている資格です。

資格学校の人気ランキングで毎年上位にランクインしており、

「基礎的な会計知識がある人材」と即座に判断してもらえます。

採用側にとっては「この人は経理の基礎を理解しているはず」という安心感があるため、

書類選考の通過率が上がる効果があります。

実際に、管理部門特化の転職エージェント「MS Agent」が扱う未経験可の経理・会計事務所の求人では、

約2件に1件が日商簿記2級を必須または歓迎資格として挙げています(2025年1月時点)。

マイナス評価:「あって当たり前」になりつつある側面も

一方で、正直に言うと採用担当者の認識は変わりつつあります。

合格者が年間4万7,000人規模に達しているため、「持っているだけでは差別化できない」という状況が生まれています。

経理職の場合、経験者の中には資格なしで働いている人も多く、

MS-Japanのデータでは経理経験者のうち資格なしが30.2%を占めます。

つまり、簿記2級は「スタート地点に立つための資格」であって、

「持っているだけで採用される資格」ではないということです。

採用担当者が本当に見ているポイント

採用担当者が簿記2級と同時に重視するポイントを整理すると、以下のようになります。

  • なぜ経理を目指すのか(志望動機の説得力)
    「簿記2級を取りました」より「取得した目的と今後のキャリアビジョン」を見ている
  • Excelスキル
    経理業務ではデータ集計・管理にExcelが必須で、VLOOKUPや関数が使えると評価が上がる
  • ポテンシャル(特に20代)
    学習能力・継続力・誠実さが資格の取得過程から読み取られる
  • コミュニケーション能力経理は他部署との連携が多く、対人スキルも評価される

「ただ単に経理に転職したい」という応募者と「経理への転職に向けて簿記2級を取得した」という応募者では、採用担当者の印象が大きく変わります。

年代別:簿記2級の転職市場での評価

簿記2級の評価は、年齢によって大きく変わります。

自分の年齢に合ったリアルな評価を確認してください。

20代:最も有利。ポテンシャル採用の対象になれる

20代で簿記2級を持っている場合、転職市場での評価は最も高くなります。

社会人経験が浅い20代で簿記2級を取得していることは、

会計知識の証明だけでなく「学習能力が高い」「目標に向かって努力できる」という印象を採用担当者に与えます。

また、20代はポテンシャル採用(将来性を見込んだ採用)の対象になりやすく、

経理実務が未経験でも採用されるケースが多くあります。

大企業の経理でも「未経験可・20代まで」という求人が存在しており、

20代であれば選択肢が最も広い状況です。

転職成功事例として、26歳で倉庫管理業務から東証プライム上場子会社の経理(管理職候補)に転職し、

年収40万円アップを達成したケースもあります(MS-Japan事例)。

30代:簿記2級+αが必要になる

30代になると、簿記2級単体での評価は下がります。

採用担当者の視点では、30代の応募者に対しては「即戦力または即戦力に近いレベル」を期待する傾向があります。

ただし、30代前半(〜34歳程度)であれば、以下の組み合わせで未経験転職が成功するケースがあります。

  • 簿記2級+Excel(中級以上)
  • 簿記2級+前職でのお金に関わる業務経験(営業・事務など)
  • 簿記2級+会計事務所でのアルバイト・パート経験

会計事務所は比較的年齢制限が緩やかで、30代でも簿記2級があれば採用される可能性があります。

まずは会計事務所で実務経験を積んでから、一般企業の経理へキャリアアップするルートが現実的です。

35歳以上:正社員での未経験転職は難しくなる

35歳を超えると、簿記2級だけで未経験から経理への正社員転職は難易度が大きく上がります。

多くの企業では35歳が一つの基準となっており、正社員の中途採用では即戦力性が強く求められます。

ただし、選択肢がゼロになるわけではありません。

  • 派遣・契約社員から始める
    採用ハードルが下がり、実務経験を積んでから正社員を目指せる
  • 会計事務所を狙う
    年齢制限が比較的緩く、40代でも採用されるケースがある
  • 現職での資格手当を狙う
    転職せずに簿記2級を活かして収入を増やす方法として現実的

40代以降は、マネジメント経験やプロジェクトリーダーの経験など、
簿記2級以外の強みと組み合わせることが重要です。

転職先別:簿記2級の評価と狙い方

転職先によって、簿記2級の評価と戦略が変わります。

未経験で転職できる可能性が高い順に整理していきましょう。

転職先未経験での採用可能性年齢の上限目安特徴
会計事務所
税理士事務所
高い比較的緩やか地方でも求人が多く、
育成文化がある
中小企業の経理高い〜30代前半幅広い業務を担当でき、
実務経験を積みやすい
大企業の経理中程度〜20代即戦力要件が強く、倍率が高い
監査法人アシスタント高い(穴場)比較的緩やか未経験でも高年収。
知名度が低く競争が少ない
コンサル(会計系)低い〜30代実務経験必須が多く、
激務の職場も多い

特に注目したいのは監査法人のアシスタント業務です。

知名度が低いため競争率が低く、未経験でも応募できる求人が多い一方で、

全国平均で496万円(東京では646万円)という高い年収水準があります。

簿記2級を持っている合格者が知っておくべき「穴場」の選択肢です。

転職活動で簿記2級を最大限にアピールする方法

資格があっても、アピールが弱いと評価されません。

採用担当者が実際に見ているポイントに合わせたアピール方法を見ていきましょう。

履歴書には正式名称と合格日を正確に記載する

資格欄には「日商簿記検定2級」と正式名称で記載し、合格証書に基づいた日付を記入します。

経理・会計関連の職種に応募する場合は、他の資格よりも優先して上に記載するのが効果的。

細かな点に見えますが、履歴書の書き方一つで採用担当者の印象が変わります。

「なぜ取ったか」と「どう活かすか」をセットで伝える

採用担当者が最も気にするのは「なぜ簿記2級を取ったのか」という動機です。

「就活に有利かと思って」ではなく、「経理職を目指すために取得した」「会社の数字を理解したくて勉強した」という具体的な理由が評価につながります。

さらに、「取得後にどう活かすか」までセットで話せると、採用担当者に入社後のイメージを持ってもらいやすくなります。

Excelスキルを同時にアピールする

簿記2級と合わせてExcelのスキルをアピールすることで、採用担当者の評価が大きく上がります。

経理業務ではVLOOKUP・ピボットテーブル・IF関数などが日常的に使われるため、

これらを使いこなせることを伝えると「即戦力に近い」という評価に。

Excelスキルが不安な場合は、転職活動と並行して学習することをおすすめします。

継続力・計画性を資格取得の過程から示す

簿記2級を持っていても、アピールの仕方が間違っていると評価されないことも。

「何時間かけて、どのように勉強して合格した」というエピソードを具体的に話せると説得力が増します。

合格率20%の試験に合格したこと自体が、学習の継続力・計画力の証明になります。

転職先別:簿記2級で応募できる求人の実態

簿記2級を持っていると応募できる求人の具体例を、転職先別に整理していきましょう。

中小企業の経理:最も入りやすい入口

中小企業の経理は、未経験可・簿記2級歓迎の求人が多く、最も参入しやすい選択肢。

社員数が少ない分、仕訳から決算補助まで幅広い業務を経験でき、実務経験を効率よく積めるメリットがあります。

初年度の年収は300〜400万円前後からのスタートが多いですが、

3年以上経験を積むと転職市場での評価が大きく上がります。

会計事務所:年齢制限が比較的緩やか

会計事務所は全国に求人があり、地域格差が小さい職場。

30代でも採用されるケースがあり、未経験でも簿記2級があれば応募できる求人が多くあります。

税理士事務所での経験は、ゆくゆく税理士資格取得を目指す方にとってもキャリアの土台になります。

上場企業の経理:20代限定が多いが高年収

大手上場企業の経理は「未経験可・20代まで」という求人が多く、倍率も高いです。

ただし20代であれば簿記2級があることでポテンシャル採用の対象となり、

年収40万円アップの転職成功事例も存在します(MS-Japan事例)。

監査法人アシスタント:穴場で高年収

知名度が低く競争率が低いため、未経験でも採用されやすい職種です。

年収は全国平均496万円(東京646万円)と高水準で、簿記2級合格者が知っておくべき選択肢の一つです。

転職エージェントの活用が重要な理由

簿記2級での転職活動では、経理・会計系に特化した転職エージェントの活用が特に効果的。

一般の転職サイトでは「未経験可」の求人が少なく見えても、

エージェント経由では非公開求人として未経験可の経理求人が多数存在。

内情に詳しいエージェントを通すことで、年齢や経験年数に合った現実的な求人を紹介してもらえます。

MS Agentやヒュープロなどのバックオフィス・会計系専門エージェントへの登録が特に有効です。

転職活動で「自分には難しいかも」と感じている方でも、

エージェントに相談することで実際に応募できる求人の幅が把握できます。

まず、無料登録だけでもしてみる価値があります。

転職に関するよくある疑問Q&A

Q. 経理未経験・30代・簿記2級でも転職できる?

可能ですが、戦略が必要です。

30代前半(〜34歳程度)であれば、中小企業の経理や会計事務所への転職は実現できるケースがあります。

Excelスキルや前職での数字に関わる経験(営業・事務など)を組み合わせてアピールすることが重要。

30代後半以降は正社員より派遣・契約社員からスタートして実務経験を積む方法が現実的です。

Q. 簿記2級と3級、転職での評価はどのくらい違う?

転職市場では大きく異なります。

経理求人の応募要件に「日商簿記2級以上」と書かれているケースが多く、

3級では応募資格を満たせない求人が多数あります。

3級は「簿記の基礎がある」という程度の評価で、

採用担当者に強いアピールにはなりにくいのが実情です。

Q. 経理の仕事はAIで将来なくなる?

単純作業(伝票入力・仕訳の一部)はAIや会計ソフトの自動化で減少傾向にあります。

ただし、財務分析・管理会計・経営判断のサポートなど、人の判断が必要な業務は残り続けます。

簿記2級の知識は「AIが出した数字を読んで判断する」スキルとして今後も価値を持ちます。

Q. 転職エージェントと転職サイト、どちらを使うべき?

両方を並行して使うのが最も効率的です。

転職サイトは自分のペースで求人を探せ、エージェントは非公開求人の紹介・書類添削・面接対策まで支援してもらえます。

会計・経理系に特化したエージェント(MS Agent・ヒュープロ)は、業界知識を持つアドバイザーが適切な求人を紹介してくれるため特に有効。

まとめ:簿記2級の転職評価は「年齢×使い方」で決まる

この記事のポイントを整理します。

  • 未経験可の経理求人の約半数が簿記2級を必須・歓迎資格としており、書類選考の通過率に直接影響する
  • 採用担当者は「資格の有無」だけでなく「なぜ取ったか・どう活かすか」を重視している
  • 20代は最も評価が高く、ポテンシャル採用で選択肢が広い
  • 30代は簿記2級+Excelや会計事務所でのキャリアパスが現実的
  • 35歳以上は派遣・契約社員からのスタートや現職での活用が有効な選択肢
  • 監査法人アシスタントは未経験でも高年収が狙える穴場

簿記2級は「持っているだけで転職できる魔法の資格」ではありませんが、

正しく使えば転職市場で確実に有利になる資格です。

転職エージェントの選び方や具体的な転職の進め方については、

このブログの他の記事で詳しく解説しています。


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