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簿記2級の合格率推移と直近試験の傾向分析【2026年最新データ】

「簿記2級の合格率ってどのくらい?」

「最近は難しくなっているの?」

これから簿記2級を受験しようとしている方が必ず気になる疑問です。

結論から言うと、簿記2級の合格率は統一試験で平均約20%、ネット試験で約35〜40%で推移しています。

試験回によって大きなバラつきがあり、難しい回と易しい回で3倍近い差が開くこともあります。

この記事では、簿記2級合格者の立場から、統一試験・ネット試験それぞれの合格率データ・推移・難易度変動の理由・直近の出題傾向を詳しく解説します。

「自分が受ける回の難易度はどのくらいか」「どの時期に受験するのが有利か」がわかります。

目次

統一試験の合格率推移【直近データ】

日商簿記2級の統一試験(ペーパー試験)は年3回(6・11・2月)実施されます。

直近の合格率データを確認します。

試験回実施時期合格率
第167回2024年2月
第168回2024年6月
第169回2024年11月28.8%
第170回2025年6月
過去10回平均約20〜21%

日本商工会議所の公式データによると、直近10回(統一試験)の平均合格率は20〜21%前後で推移しています
(アビタス調査)。

注目すべきは変動幅の大きさです。

最も合格率が高い回では約28〜30%に達する一方、最も低い回では8〜12%台に落ち込みます。

同じ「簿記2級」でも受ける回によって難易度が大きく異なります。

ネット試験(CBT)の合格率推移

2020年12月から開始されたネット試験は、統一試験と異なる合格率の傾向を示しています。

年度ネット試験合格率
2020年度46.57%
2021年度38.11%
2022年度37.11%
2023年度35.21%
2024年度35.65%
2025年度34.61%
全期間平均約36.65%

ネット試験の合格率は統一試験より10〜15ポイント高い傾向があります。

ただし開始直後の2020年度は46%超と特に高く、その後は落ち着いて35%前後で安定しています。

また、ネット試験と統一試験(ペーパー試験)のどちらも合格しても「日商簿記検定2級合格」であり、合格の価値に差はありません(日本商工会議所公式)。

なぜネット試験の方が合格率が高いのか

日本商工会議所は「統一試験とネット試験の難易度は同じ」としていますが、実際の合格率は差があります。

その理由を整理します。

理由1:自信がついてから受験できる

統一試験は年3回の決まった日程に合わせて受験する必要があります。

一方ネット試験は随時受験できるため、「模擬試験で安定して70点以上取れるようになった」という手応えを得てから受験できます。

準備が整った状態で受験する人の割合が高くなることが、合格率の高さにつながっています。

理由2:基本問題中心でイレギュラー問題が少ない

ネット試験は問題がランダム出題される仕組みのため、統一試験のような特定の難問・イレギュラー問題が出にくい傾向があります。

統一試験では出題担当者の意図によって特に難しい回が生まれやすく、これが合格率の大幅な低下につながることがあります。

理由3:不合格後の再受験がスムーズ

ネット試験は不合格でも次の受験まで間隔が短く、モチベーションを維持したまま再挑戦できます。

原因分析と修正のサイクルが速いため、合格者数が増加傾向にあります。

合格率に大きなバラつきが生じる3つの理由

簿記2級の合格率が試験回によって大きく変動する理由は、試験制度の仕組みにあります。

理由1:絶対評価のため難易度が合否に直結する

簿記2級は「受験者の上位○%を合格にする」という相対評価ではなく、「100点満点中70点以上」という絶対評価です。

そのため、その回の問題が難しければ合格率が下がり、易しければ合格率が上がります。

難易度調整のための補正が行われない設計が、大きなバラつきの原因です。

理由2:出題範囲の改定による影響

2015〜2022年にかけて複数回の大規模な出題区分改定が行われました。

特に2018年度から連結会計・税効果会計・収益認識基準などが追加され、以前より1級に近い内容が2級で問われるようになりました。

改定直後の試験は受験者が新範囲に慣れていないため合格率が下がりやすく、翌年以降に安定する傾向があります。

理由3:連結会計など難問の出題頻度

第2問で複数子会社の連結会計が出題された回は合格率が下がりやすく、比較的シンプルな個別論点が出た回は上がりやすい傾向があります。

1回の試験での合格率だけを見て「簿記2級は難しすぎる」または「簡単だ」と判断するのは危険です。

直近の出題傾向と対策【2025〜2026年版】

2026年度(2026年4月以降)も出題区分は2022年度版が引き続き適用されます(日本商工会議所公式)。

直近の傾向をまとめます。

第1問(仕訳・20点):幅広い範囲から横断的に出題

テキストレベルの仕訳問題が5問出題されます。

1問あたり4点と配点が高く、落とせない問題です。全範囲の仕訳を網羅的に練習しておくことが対策の基本です。

第2問(個別論点・20点):連結会計が50%以上の確率で出題

連結会計・株主資本等変動計算書・固定資産・有価証券の総合問題が頻出です。

連結会計は対策必須で、基本パターン(開始仕訳・のれん償却・内部取引消去)を確実に押さえましょう。

第3問(財務諸表・決算・20点):問題量が多く時間管理が重要

損益計算書・貸借対照表・本支店会計の問題が出題されます。

問題文が長く時間がかかるため、工業簿記(第4・5問)を先に解いてから取り組む戦略が有効です。

第4問(1)工業簿記仕訳・12点:取りやすい問題

出題パターンが決まっており、基本問題が中心です。

工業簿記の仕訳に慣れておくことで安定した12点を確保できます。

第5問(標準原価計算・CVP分析・12点):パターン学習が有効

標準原価計算の差異分析またはCVP分析が交互に出題される傾向があります。

計算パターンを覚えることで確実に得点できる論点です。

合格率から見た受験戦略

合格率のデータを踏まえた、受験時期・方式の選び方をまとめます。

「合格率が低い回を避ける」は意味がない

「合格率が高い回を狙って受験する」という戦略は、事前に難易度を予測できないため現実的ではありません。

過去の傾向から同じ回の難易度が繰り返されるわけでもありません。

難易度の高い回で合格できる「基礎力の高さ」を磨く方が、長期的には確実に合格に近づきます。

ネット試験で「準備できたら受験」が最も合理的

合格率35〜40%のネット試験で、模擬試験を安定して70点以上取れる状態になってから受験するのが最もリスクが低い戦略です。

統一試験の日程に縛られずに学習ペースを組み立てられるため、社会人・育児中の方には特にネット試験が向いています。

「合格率20%でも5人に1人は受かる」と意識する

合格率20%を「難しすぎる」と捉えるよりも「5人に1人が合格している」と捉え直すことが重要です。

合格率が低い回にも合格者は必ず存在します。その差は「準備の質と量」です。

合格者の半数以上が2回以上受験しているというデータがあるように、一度で受からなくても諦める必要はまったくありません。

簿記3級・2級・1級との合格率比較

統一試験合格率(目安)ネット試験合格率(目安)
3級40〜50%前後40〜50%前後
2級15〜30%前後(平均約20%)35〜40%前後
1級8〜12%前後(平均約10%)実施なし

3級と2級では合格率が2倍以上の差があり、明確な難易度の段差があります。

一方1級は統一試験のみで合格率が10%前後と、2級より格段に難易度が上がります。

2級の合格率は3級と1級の中間に位置しており、「準備すれば合格できるが、なめてかかると落ちる」という難易度の位置づけです。

合格率が低い回に受かった人の特徴

合格率が10%台という厳しい試験回でも合格する人には、共通した特徴があります。

特徴1:工業簿記で安定した得点を確保できている

商業簿記は難問が出た回には得点が不安定になりやすいですが、工業簿記は出題パターンが決まっているため、しっかり対策した人は安定して得点できます。

難しい回でも工業簿記(40点分)をほぼ満点近くで取れる実力を持っていることが、合格率10%台の回での合格者の共通点です。

特徴2:仕訳問題(第1問・12点)を落とさない

第1問の仕訳20点と第4問(1)の工業仕訳12点、合計32点分は難しい回でも基本問題が中心です。

この32点を確実に取れる実力があれば、残り38点のうち半分程度取れば合格できる計算になります。

特徴3:難問を適切に捨て、部分点を積み上げている

難しい回ほど、難問に時間をかけすぎて他の問題に手が回らないというリスクが高まります。

「この問題は解けない」と判断したら素早く次に進む判断力が、難しい回での合格の分かれ目になります。

受験者数の推移から見える傾向

合格率と並んで、受験者数の推移も試験の動向を理解する上で重要な指標です。

統一試験の受験者数は減少傾向

2020年のネット試験導入以降、統一試験の受験者数は顕著に減少しています(MS-Japan調査)。

多くの受験者がネット試験に移行したことが原因で、統一試験の受験者数は以前の半分以下になっている期間もあります。

受験者数の減少は合格率に直接影響しないことが多いですが、統一試験を選ぶ層が「試験に慣れた経験者」や「統一試験の形式を好む人」に偏ることで、合格率がやや安定する可能性もあります。

ネット試験の受験者数は増加・安定

ネット試験は導入後から受験者数が急増し、現在は受験者の約6割がネット試験を選ぶといわれています(zuki’sタイムズ調査)。

受験機会が増えたことで年間の合格者数全体は増加傾向にあり、簿記2級保有者の裾野は広がっています。

出題区分改定の歴史と合格率への影響

簿記2級の難易度が「上がった」と感じる背景には、近年の出題区分の大幅な改定があります。

改定時期主な変更内容合格率への影響
2015年度決定
→2016〜2018年度施行
連結会計・税効果会計・リース・外貨換算等を追加改定直後に合格率が低下
2019年度収益認識基準(新収益認識基準)の追加難化傾向が続く
2021年度試験時間を120分から90分に短縮時間不足による影響が顕在化
2022年度現行区分表(2026年度まで継続適用)安定期に入りつつある

2022年度版の出題区分表は2026年度まで継続適用されます。

大規模な改定は当面予定されていませんが、2027年度以降に向けた暫定版が公開されているため、定期的に公式サイトを確認することをおすすめします。

合格率に関するよくある疑問Q&A

Q. 合格率の高い試験月はいつ?

特定の試験月(6月・11月・2月)が安定して合格率が高いというわけではありません

同じ月でも年によって問題の難易度が変わるため、「6月は合格率が高い」という法則はありません。

ネット試験では準備が整ったタイミングで受験する方が、月を選ぶより効果的です。

Q. 合格率が低い回に不合格になったのは仕方ない?

難しい回に不合格になることは珍しくなく、その回の合格率が10%台であれば90%の受験者が落ちているということです。一度の結果で自分の実力を過小評価せず、原因を分析して再挑戦することが重要です。

同じ難易度の回を改めて受験しても、次は合格できるケースが多くあります。

Q. ネット試験の合格率が高いのは不正解者が少ないから?

不正防止策は設けられており、不正による影響は考えにくいです。

合格率の高さは「準備ができた状態で受験できる」という仕組みの違いによるものと考えられています。

Q. 統一試験とネット試験で合格証書は違う?

どちらも「日商簿記検定2級合格」として同等の証書が発行されます。

履歴書への記載も同じです。合格の価値に差はないため、自分に合う方式を選んで受験することをおすすめします。

合格率データを活かした学習計画の立て方

合格率のデータを学習計画に活かすための具体的な考え方を紹介します。

ステップ1:受験方式を先に決める

まず統一試験かネット試験かを決めます。

日程の柔軟性を重視するならネット試験、試験の形式(紙・記述)に慣れている方なら統一試験を選ぶのが基本です。社会人や育児中の方にはネット試験が向いているケースが多いです。

ステップ2:模擬試験の結果を受験の目安にする

ネット試験を選ぶ場合、「模擬試験(予想問題集)を90分の時間制限で解いて、安定して72〜75点以上取れる」状態になってから申し込むことをおすすめします。

70点ちょうどでは本番の緊張やケアレスミスで合格ラインを下回るリスクがあります。

統一試験を選ぶ場合は、試験日程から逆算して「本番の6週間前には模擬試験で安定して75点以上」という目標を設定しましょう。残りの6週間で弱点補強と時間管理の練習に集中します。

ステップ3:合格率の低い分野を重点的に対策する

合格率が低い回は連結会計・財務諸表の複合問題が難化していることが多いです。

これらの分野を「捨てずに部分点を取れる水準まで仕上げる」ことが、難しい回での合格者と不合格者を分けます。

完璧を目指す必要はありませんが、基本パターンだけは確実に解けるようにしておきましょう。

過去の難しかった試験回から学ぶ対策

合格率が特に低かった試験回には共通の特徴があります。

そこから逆算した対策を立てることで、難しい回でも合格できる底力が身につきます。

難しい回の共通点:連結会計の複合問題

合格率が10%台に落ちた試験回では、第2問で複数の子会社を持つ連結会計や、連結・税効果・のれんが複合した問題が出題されたケースが多いです。

こうした問題は完全に解くのが難しいため、取れる箇所(開始仕訳の基本部分など)から確実に部分点を積み上げる戦略が重要です。

難しい回での対策:工業簿記で稼ぐ意識を持つ

商業簿記が難化した回でも、工業簿記のパターン問題は難易度が安定しています。

工業簿記の第4・5問(合計40点)を満点に近い形で取れると、商業簿記でやや取りこぼしても合格ラインに届きます。

「工業簿記は得意」という状態を作っておくことが、難しい回に対応できる保険になります。

時間管理を本番同様に練習する

2021年の試験時間短縮(120分→90分)以降、時間切れによる失点が増えています。

難しい問題に迷いすぎて時間が足りなくなるケースが多いため、「1問あたりの最大時間」を決めて機械的に進む練習が合格率に直結します。

特に第3問(財務諸表)は問題量が多いため、先に工業簿記と第1問を解いてから取り組む順番が有効です。

合格率から見た簿記2級の市場価値

合格率の推移は、簿記2級の資格としての市場価値とも深く関係しています。

直近10回(第157回〜第166回)の平均合格率は約20.7%で、それ以前(第140回〜第166回)の平均合格率21.8%と比べてわずかに低下しています(マイナビ転職 税理士調査)。

合格率が低下しているということは、試験の難易度が上がり合格者の希少性が高まっているということです。

出題範囲の拡大(連結会計・収益認識・税効果の追加)により、簿記2級の内容はより実務に近いレベルになっています。

これにより、採用担当者からの評価は以前より高まっている面があります。

合格率20%という数字を「難しすぎる」と見るか「取得した人の希少性が高い」と見るかで、取り組む気持ちが変わります。難易度の上昇は、合格した際の市場価値の上昇でもあるということです。

2026年度の試験日程と申込の流れ

2026年度(2026年4月〜2027年3月)の試験スケジュールを確認して、受験計画を立てましょう。

試験実施日申込時期の目安
第173回(統一試験)2026年6月14日(日)2026年4月中旬〜5月上旬
第174回(統一試験)2026年11月15日(日)2026年9月中旬〜10月上旬
第175回(統一試験)2027年2月28日(日)2027年1月上旬〜中旬
ネット試験随時(テストセンター次第)受験日の数日前〜当日まで申込可能

統一試験の申込方法や受験料は商工会議所ごとに異なります。

申込前に受験する地域の商工会議所のウェブサイトを確認してください。受験料は2級が4,720円(税込)です。

ネット試験はピアソンVUEなどの公認テストセンターで随時受験できます。

申込はウェブ上で完結し、空きがあれば翌日以降の受験も可能です。

合格率を正しく使うために知っておくべきこと

最後に、合格率というデータを正しく活用するための視点を整理します。

  • 合格率は「全受験者」の平均
    準備が全く不足している受験者も含んでいます。
    十分な準備をした受験者に絞れば、実質的な合格率はより高くなります
  • 統計は過去のデータ
    次の試験がどのくらいの難易度になるかは事前に分からないため、合格率の高い回を狙う戦略には限界があります
  • 自分の学習状況が最重要
    模擬試験で安定して70点以上取れる状態を作ることが、合格率のデータよりはるかに重要です
  • 一回の不合格は失敗ではない
    合格者の半数以上が2回以上受験しています。
    「次でどう改善するか」という視点を持ち続けることが合格への道です

合格率のデータは「試験の難易度感」を把握するための参考指標として活用しつつ、自分自身の準備の質と量を高めることに集中しましょう。

簿記2級の合格率に関するデータは日本商工会議所の公式サイト(kentei.ne.jp)で随時更新されています。

最新の受験者データを定期的に確認し、直近の試験の難易度感を把握しておくことも効果的な受験対策の一つです。

試験の具体的な勉強法・おすすめテキストについては、このブログの他の記事で詳しく解説しています。


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