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簿記2級で会計事務所に転職できる?仕事内容・メリット・デメリットを合格者が解説

「会計事務所って簿記2級だけで入れるの?」「会計事務所と経理、どっちを選ぶべき?」

簿記2級を取得した後の転職先として、会計事務所は「最も入りやすい選択肢の一つ」です。

会計事務所は企業の経理部門より未経験者を歓迎する求人が多く、
複数のクライアントを担当することで短期間でスキルを積めるという特徴があります。

この記事では合格者の立場から、会計事務所の仕事内容・経理との違い・メリット・デメリット・転職成功のポイントを正直に解説します。

目次

会計事務所とは何をする場所か

会計事務所は、企業・個人事業主の会計・税務業務をアウトソースで受け持つ専門家事務所です。

クライアント(顧問先)の記帳代行から始まり、
月次試算表の作成・決算書の作成・税務申告書の作成・税務相談・経営アドバイスまで、
幅広いサービスを提供します。

所長税理士の資格・方針によって事務所の規模・専門分野・クライアント層は様々で、
個人経営の小規模事務所から税理士法人まで幅広い形態があります。

会計事務所での具体的な仕事内容

会計事務所スタッフの主な業務は以下の7種類です。

1. 記帳代行

クライアントから受け取った領収書・請求書・通帳コピーをもとに、
会計ソフトへ仕訳入力を行います。

これが会計事務所スタッフの最も基本的な業務で、未経験者は最初にここから始めます。

簿記2級との関連:第1問の仕訳知識が直結。

勘定科目の判断力が毎日求められます。

2. 月次試算表の作成・提出

入力した仕訳をもとに月次の損益計算書・貸借対照表を作成し、
クライアントに提出します。

数字の異常値がないかの確認も重要な業務です。

3. 決算業務補助

クライアントの決算期(年1回)に、年間の取引をまとめて決算書を作成する業務をサポートします。

減価償却費の計算・棚卸資産の評価・引当金の計上など、簿記2級の知識が必要な論点が多く含まれます。

4. 税務申告書の作成(税理士の補助として)

法人税・消費税・所得税の申告書の作成を担当します。
税務申告は税理士の独占業務のため、スタッフは所長税理士の指示のもとで補助として関与します。

注意点として、簿記2級では税法をほぼ学習しません。
入所後は消費税・法人税の基礎知識を並行して習得することが必要です。

5. 年末調整・給与計算の補助

クライアント企業の従業員の年末調整・給与計算業務を代行します。

12月〜翌1月に集中する繁忙業務です。

6. クライアントへの巡回訪問

月次でクライアントを訪問し、試算表の説明・数字の確認・経営者への報告を行います。

コミュニケーションスキルが求められる業務で、経験が積まれると主担当として訪問を任されます。

7. 税務調査の立会補助

税務署がクライアントを調査する際の立会補助です。

一定の経験を積んだスタッフが担当します。

会計事務所と企業経理の違い【比較表】

会計事務所企業経理
クライアント複数の外部クライアント自社のみ
業務の幅記帳〜税務申告まで幅広い日次〜年次決算が中心
業種の多様性複数業種を経験できる自社の業種のみ
未経験受入◎(多い)○(一定数ある)
年収水準やや低め(300〜450万円から)やや高め(350〜500万円から)
税務知識◎(必須・習得できる)△(基礎程度)
税理士取得◎(実務要件を満たしやすい)○(科目合格はできるが実務要件に注意)
繁忙期12〜3月(確定申告・年末調整)決算月前後

「税理士を目指したい」「様々な業種の会計を学びたい」という方には会計事務所が向いています。

「安定した環境で一つの会社の経理を深く学びたい」という方には企業経理が向いています。

会計事務所転職のメリット

メリット1:未経験歓迎の求人が多い

会計事務所は人手不足の業界で、未経験でも簿記2級があれば応募のハードルをクリアしやすいです。

企業の経理より未経験受入の文化が広い傾向があります(ヒュープロ調査)。

メリット2:短期間で多くの業種・業務を経験できる

複数のクライアントを担当するため、飲食業・建設業・小売業・不動産業など様々な業種の会計処理を経験できます。

1〜2年で幅広い実務経験が積め、転職市場での評価が上がります。

メリット3:税理士資格への最短ルート

税理士になるには「2年以上の税理士補助業務経験」という実務要件があります。

会計事務所勤務はこの要件を満たす最もオーソドックスなルートです。

勉強しながら働ける環境として、税理士を目指す方の登竜門になっています。

メリット4:全国に求人がある

地方でも会計事務所の求人は存在し、地域格差が小さい職種です。

Uターン・Iターン転職を考えている方にも選択肢になります。

会計事務所転職のデメリット・注意点

デメリット1:年収は企業経理より低め

会計事務所の初年度年収は概ね280〜350万円が中心です。

企業経理より低いケースが多く、特に小規模事務所では年収の上がり幅も小さいことがあります。

ただし「1年1万円昇給」という慣行のある事務所も多く、
税理士資格を取得すれば大幅な収入アップが見込めます。

デメリット2:12〜3月は繁忙期で残業が多い

確定申告(3月)・年末調整(12月)の時期は繁忙期で、残業が増えます。

繁忙期と閑散期の業務量の差が大きい点は覚悟が必要です。

一方、繁忙期が明確に分かっているため計画的に対応できます。

デメリット3:所長税理士の方針次第で職場環境が大きく変わる

個人事務所は所長の考え方が職場全体の文化を決めます。

「残業を強いる」「教育制度がない」「古いやり方を強要する」といったミスマッチが生じやすい職種でもあります。

エージェントを通じて事務所の内情を確認してから入所することが重要です。

デメリット4:税法の知識が別途必要

簿記2級では税法をほぼ学習しません。

入所後は法人税・消費税・所得税の基礎知識を習得する必要があります。

「簿記2級だけで業務がすべてできる」とは思わないことが重要です。

会計事務所転職を成功させるポイント

ポイント1:事務所規模と専門分野を選ぶ

小規模事務所は多様な業務を経験できますが、年収は低め。

大規模事務所・税理士法人は組織が整っており教育制度も充実しているケースが多いですが、

担当業務が細分化されることも。自分の目指すキャリアに合わせて選びましょう。

ポイント2:会計事務所専門のエージェントを活用する

会計事務所の内情(所長の人柄・職場環境・教育体制・クライアント層)は、
一般の求人票では分かりません。

ヒュープロ・MS Agent・会計求人プラスなどの会計系専門エージェントは事務所の内情に詳しく、
ミスマッチを防ぎやすいです。

ポイント3:税理士を目指すかどうかを事前に決める

税理士を目指すなら「受験・勉強の理解がある事務所かどうか」が重要な選考基準になります。

一方、税理士は目指さず実務スキル向上を目的とするなら、
クライアントの業種・事務所の教育体制を優先して選ぶとよいです。

会計事務所転職後の年収推移とキャリアパス

経験・状況年収目安
入所1年目(未経験・簿記2級)280〜350万円
2〜3年目(記帳・月次決算が一人でできる)330〜420万円
4〜5年目(決算・申告書補助)380〜480万円
税理士試験2〜3科目合格400〜550万円
税理士資格取得後600〜1,000万円以上(独立・パートナー等)

会計事務所は「1年勤務するごとに月給1万円昇給」という慣行のある事務所が多く(MS-Japan調査)、税理士資格を取得すると収入が大幅に跳ね上がります。

長期的なキャリアとして見た場合、税理士を目指す方には最も費用対効果が高い職場と言えます。

転職前に準備しておくべきこと

  • 簿記2級の合格証書の保管
    面接・書類選考で提示を求められることがある
  • 会計ソフトの基本操作に慣れておく
    freee・弥生会計の無料プランで操作感をつかんでおくと面接でのアピールになる
  • 志望動機の明確化
    「なぜ経理でなく会計事務所か」「税理士を目指すのか、実務スキルを広げたいのか」を言語化しておく
  • 専門エージェントへの登録
    ヒュープロ・MS Agent・会計求人プラスなどへの無料登録で非公開求人を確認

会計事務所の種類と特徴【入所前に知っておくべき違い】

個人会計事務所(小規模)

所長税理士1〜2名+スタッフ数名の小規模事務所です。

クライアントは中小企業・個人事業主が中心で、記帳代行から確定申告まで幅広く担当します。

未経験者でも採用されやすく、幅広い業務を早期に経験できます。

ただし教育体制が整っていない事務所もあるため、所長の人柄と教育方針を事前に確認することが重要です。

税理士法人(中〜大規模)

複数の税理士がパートナーとして運営する法人格の事務所です。

クライアントに上場企業・中堅企業が含まれることも多く、
組織としての教育体制・評価制度が整っているケースが多いです。

個人事務所より年収水準が高い傾向がある一方、
担当業務が細分化されており「何でも経験できる」わけではない場合もあります。

Big4系税理士法人(大規模・高難易度)

PwC税理士法人・KPMG税理士法人などのグローバルファームです。

年収は高く福利厚生も充実していますが、
採用条件は厳しく税理士資格または複数科目合格が実質的に必要です。

未経験からの直接入所は現実的ではありませんが、
経験を積んだ後のステップアップ先として視野に入れる価値があります。

会計事務所で働く上で知っておくべき業界の慣行

繁忙期と閑散期の波

会計事務所は業務量の季節変動が大きい職種です。

12月〜3月(年末調整・確定申告・法人決算)は残業が増え、
4〜8月の閑散期は定時で帰れる日も多いです。

繁忙期が予め分かっているため、ライフスタイルに合わせたスケジュール管理がしやすい面もあります。

給与水準と税理士受験への理解

税理士試験の受験勉強を応援する事務所では「残業制限」「試験直前期の有給取得」「受験料補助」などの制度がある場合があります。

「税理士を目指しながら働きたい」という方は、こうした制度の有無を入所前に確認しましょう。

所長との相性の重要性

小規模事務所では所長税理士の方針が職場の文化のほぼすべてを決めます。

「教える文化がある所長か」「労働環境に気を配っているか」「専門分野に偏りはないか」を入所前に確認することがミスマッチ防止の最重要事項です。

会計系エージェントはこの情報を保有していることが多く、活用する価値があります。

合格者が選ぶなら:会計事務所 or 企業経理

こんな方はおすすめ
税理士を目指したい会計事務所(実務要件を満たせる)
様々な業種の会計を経験したい会計事務所(複数クライアントを担当)
安定した環境で一社の経理を深く学びたい企業経理
年収を早く上げたい企業経理(初年度から高め)
地方でも求人を探したい会計事務所(全国に求人がある)
将来独立・開業したい会計事務所(独立への最短ルート)

どちらが正解というわけではなく、
自分のキャリアゴールに合った選択をすることが最も重要です。

「税理士を目指すかどうか」を先に決めることで、
会計事務所か企業経理かの選択が自然と定まります。

会計系の転職エージェントに登録して「経理と会計事務所、
どちらが自分に向いているか」を相談することも有効な手段です。

プロの視点から現実的な選択肢を提示してもらえます。

会計事務所への転職でよく使われる転職エージェント

  • ヒュープロ
    会計・税務・法務に特化。
    会計事務所・税理士法人の求人が豊富で、事務所の内情情報も詳しい。
    未経験可の求人も多く取り扱っている
  • MS Agent(MS-Japan)
    管理部門・士業に特化した業界最大級の転職エージェント。
    会計事務所・企業経理の両方の非公開求人を保有
  • 会計求人プラス
    会計業界に特化したエージェント。
    会計事務所への転職に実績がある

これらのエージェントへの登録は無料で、
まず話を聞くだけでも自分の市場価値・応募できる求人の数・事務所の内情を把握できます。

会計事務所への転職を少しでも考えている方は、
早めに登録して情報収集を始めることをおすすめします。

簿記2級の勉強法・通信講座の選び方・合格率の詳細については、
このブログの「簿記を取る」カテゴリの記事で詳しく解説しています。

会計事務所への転職に関するQ&A

Q. 会計事務所では独立(開業)できますか?

税理士資格を取得すれば独立開業が可能です。

会計事務所勤務は独立に必要な実務要件(2年以上の税理士補助業務)を満たせるため、
将来の独立を見据えた方にとっては最適な職場です。

実際、会計事務所スタッフから税理士として独立するケースは業界内で一般的なキャリアパスです。

Q. 会計事務所に転職した後、企業経理に移れますか?

はい、むしろ会計事務所経験者は企業経理への転職で高く評価されます。

複数業種の会計処理・決算・税務申告の経験を持つ人材は、企業経理にとって即戦力として評価されます。

会計事務所3〜5年→企業経理へというキャリアパスは現実的で一般的です。

Q. 簿記2級だけで面接を通過できますか?

書類選考は通過できるケースが多いです。

面接では「なぜこの事務所を選んだか」「どんな会計業務に携わりたいか」「税理士を目指すのか」といった質問に具体的に答えられる準備が必要です。

簿記2級取得の経緯(動機・学習方法・かかった時間)を具体的に話せると評価が上がります。

まとめ:簿記2級で会計事務所へ転職する前に知っておくべきこと

  • 会計事務所の主な業務は記帳代行・月次試算表作成・決算補助・税務申告補助
  • 企業の経理より未経験歓迎の求人が多く、最も入りやすい転職先の一つ
  • 複数業種を短期間で経験できるため、スキルアップのスピードが速い
  • 税理士を目指すなら実務要件を満たせる最適な職場
  • 一方で、年収は企業経理より低め・繁忙期の残業あり・所長の方針で職場環境が大きく変わるというデメリットもある
  • 事務所の内情把握には会計系専門エージェントの活用が必須

合格者として正直に言えば、「経理か会計事務所か」で迷っている方は、
まず会計事務所を試してみることをおすすめします。

未経験での参入障壁が低く、様々な業種の会計を経験できる会計事務所は、
その後の転職・キャリアの幅を広げる土台として非常に優れた職場です。

転職エージェントへの登録・求人確認・職場の内情把握から始めてみましょう。

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