「簿記2級を取ったら次は会計ソフトを使えるようにした方がいい?」
答えははい、必ずやるべきです。
経理転職・副業・フリーランスのどのルートでも、
会計ソフトの操作スキルは「簿記2級の知識を実務で使えるかどうか」を問われる第一関門です。
この記事では、簿記2級合格者として、freee・マネーフォワード・弥生会計の特徴と使い分け、そしてキャリアへの活かし方を解説します。
なぜ簿記2級×会計ソフトのセットが重要なのか
現代の経理業務は会計ソフトなしには成立しません。
仕訳入力・月次集計・決算書作成のすべてがソフト上で完結します。
簿記の知識があっても「ソフトが操作できない」では実務で即戦力になれません。
マネーフォワードの調査では「仕訳や帳簿の記入、決算書作成までの一連の流れを理解する力は経理の基本。
日商簿記2級レベルの知識があれば、
ほとんどの実務について理解はできるといわれている」としつつも、
「Excelや会計ソフトを使いこなすPCスキル」も必要と明示しています。
逆に言えば、「簿記2級の知識+会計ソフトの操作スキル」の組み合わせが、
採用担当者に「明日から即戦力になれる」と思わせる最強の組み合わせです。
主要クラウド会計ソフトの比較
| ソフト | 主な使用層 | 特徴 | 無料プラン |
|---|---|---|---|
| freee会計 | 個人事業主・ スタートアップ | UI直感的・スマホ対応が強力 銀行口座連携が速い | あり(機能制限) |
| マネーフォワード クラウド会計 | 中小企業・法人 | 口座連携精度が高い 仕訳の自動化が強力 | あり(機能制限) |
| 弥生会計オンライン | 中小企業・ 会計事務所経由 | 会計事務所との連携が強い 老舗で安定 | 初年度無料 |
| 弥生会計 (デスクトップ) | 中堅〜中小企業 | オフライン対応・高機能 中小企業で広く普及 | 体験版あり |
freeeの特徴と簿記2級との相性
freeeは「簿記の知識がない人でも使える」を目指して設計されたクラウド会計ソフトです。
そのため、UIが直感的で銀行口座・クレジットカードとの連携が速く、自動仕訳の精度が高いです。
簿記2級との相性:◎
freeeは自動仕訳に「推測された勘定科目」を提示しますが、
正しいかどうかを判断するには簿記の知識が必要です。
簿記2級の知識があると「この取引は売掛金ではなく未収入金で処理すべき」という判断が素早くできます。
「知識ゼロの人がfreeeを使う」より「簿記2級を持った人がfreeeを使う」方が圧倒的に正確・効率的に処理できます。
freeeが多い業種・環境
個人事業主・フリーランス・スタートアップ・EC事業者に特に多く導入されています。
副業・フリーランスとして記帳代行をする場合、freeeの操作スキルは高頻度で求められます。
freeeの習得方法
freeeには無料の「freeeアカデミー」(公式学習サイト)があり、
基本操作を動画で学べます。
また「freee会計エキスパート」という公式資格があり、
取得するとスキルの証明になります。
マネーフォワードクラウド会計の特徴と相性
マネーフォワードクラウド会計は法人向けに特に強く、
銀行口座・クレジットカード・ECサービスとの連携数が業界最多クラスです。
月次決算の自動化・分析レポートが充実しており、中小企業の経理業務の効率化に向いています。
簿記2級との相性:◎
マネーフォワードは「仕訳の提案」機能が強力ですが、
AIが提案した仕訳が正しいかどうかを判断するには会計知識が必要です。
また、月次試算表・損益計算書・貸借対照表を出力する機能があり、
簿記2級で学んだ財務諸表の読み方がそのまま役立ちます。
マネーフォワードの習得方法
「マネーフォワードクラウド検定」という公式資格があり、
取得することで操作スキルを証明できます。
また、公式の「マネーフォワードクラウドアカデミー」で無料の操作研修動画が視聴できます。
弥生会計の特徴と相性
弥生会計は1980年代から続く老舗の会計ソフトで、
中小企業・会計事務所での導入率が依然として高い定番ソフトです。
特に地方の中小企業や会計事務所での採用が多く、
会計事務所に転職する場合は弥生の操作スキルが求められることがあります。
弥生の習得方法
弥生会計には30日間の無料体験版があります。
また「弥生PAP」という公式サポートプログラムがあり、
会計事務所向けの研修コンテンツが充実しています。
どのソフトから始めるべきか
| 目的 | 優先的に習得すべきソフト |
|---|---|
| 副業・フリーランスで記帳代行を始めたい | freee → マネーフォワード の順 |
| 経理転職(中小企業)を目指している | マネーフォワード → 弥生 の順 |
| 会計事務所への転職を目指している | 弥生 → freee の順 |
| スタートアップ・ITベンチャー経理を目指している | freee一択 |
| 地方中小企業経理を目指している | 弥生一択 |
いずれにせよ、freeeとマネーフォワードの2つをマスターしておくと、
大多数のクライアント・転職先に対応できます。
両方の無料プランを使って「自分のダミー事業」の帳簿をつけてみることが最も効率的な習得方法です。
会計ソフトの資格・スキル証明でさらに差別化
- freee会計エキスパート
freee公式の操作資格。副業・転職時のアピールになる - マネーフォワードクラウド検定
公式の操作スキル資格。中小企業経理の転職で有効 - 弥生検定
弥生公式の操作スキル資格。会計事務所転職で評価される
「日商簿記2級+freee会計エキスパート」という組み合わせで履歴書に記載すると、
採用担当者に「知識と操作スキルの両方がある」と伝わりやすくなります。
AIと会計ソフトの進化の中で簿記2級の価値はどう変わるか
AIによる自動仕訳・自動決算が進化する中で「簿記の知識はいずれ不要になる」という意見もあります。
しかし、マネジー(MANEGY)の調査では「AI・RPAで経理の業務を効率化する方法」として「AIが処理した数字を読んで判断する力——つまり簿記の知識——は今後も必要とされる」と指摘されています。
AIが自動仕訳を提案しても、その結果が正しいかどうかを判断するのは人間の仕事です。
「AIが出した数字を検証・修正・判断する」という役割において、簿記2級の知識は価値を持ち続けます。
会計ソフトを実際に使う手順【初心者向け】
Step 1:無料アカウントを作成する
freee・マネーフォワードはどちらも無料プランがあります。
メールアドレスだけで登録でき、クレジットカード不要で始められます。
まずどちらか一方を選んで登録しましょう。
Step 2:ダミーの事業を設定して帳簿をつけてみる
「自分がフリーランスとして活動している」という想定でダミーの取引を入力してみましょう。
売上(現金または売掛金)・経費(交通費・消耗品費)・支払い(買掛金の決済)など、
簿記2級で学んだ取引を実際に入力することで、試験の知識が実務に結びつきます。
Step 3:月次レポートを確認する
入力した取引をもとに自動生成される損益計算書・貸借対照表を確認します。
試験で書いた財務諸表が画面上で自動生成されるのを見ることで、
簿記の知識と実務が結びつくのを実感できます。
Step 4:銀行口座との連携を試す
自分の銀行口座(副業用の口座があれば最適)を会計ソフトに連携すると、
取引が自動取り込みされます。
AIが提案する勘定科目が正しいかどうかを、
簿記2級の知識で確認・修正する練習ができます。
簿記2級×会計ソフトで広がるキャリアの具体例
ケース1:経理転職に活かす
面接で「簿記2級に加えて、freee・マネーフォワードの操作経験があります。
現在もダミー帳簿で継続練習中です」と伝えることで、
採用担当者に「入社後すぐに使える」という印象を与えられます。
会計ソフトの操作経験は「実務経験なし」の弱点を補う有効なアピールになります。
ケース2:副業の記帳代行に活かす
クラウドワークス・ランサーズで記帳代行案件に応募する際、
プロフィールに「日商簿記2級合格・freee/マネーフォワード操作経験あり」と記載することで、
高単価案件の受注率が上がります。
簿記の知識だけでなくソフトの操作スキルがあることで、
クライアントに「すぐに任せられる」という安心感を与えられます。
ケース3:フリーランスとして自分の帳簿管理に活かす
フリーランスや副業で収入が発生した際に、会計ソフトで自分の帳簿をつけることで確定申告の準備が大幅に楽になります。
「簿記の知識があるから帳簿をつけられる」「会計ソフトを使えるから効率的に管理できる」という2つの強みが合わさることで、税理士費用の節約にもなります。
会計ソフトと簿記の知識の関係を正しく理解する
よくある誤解として「会計ソフトがあれば簿記の知識は不要」というものがあります。
これは半分正しく、半分誤りです。
会計ソフトができること
- 仕訳の自動提案(AIによる勘定科目の推測)
- 銀行口座との自動連携・取引の自動取り込み
- 損益計算書・貸借対照表の自動生成
- 消費税の自動計算
会計ソフトができないこと(簿記の知識が必要なこと)
- 自動仕訳の誤りを発見・修正する
- 複雑な取引(リース・固定資産・連結)の正しい仕訳を判断する
- 財務諸表の数字が正しいかどうかを検証する
- 決算整理仕訳(未払費用・前払費用・引当金など)を適切に行う
つまり「会計ソフトは道具、簿記の知識は使い手の能力」という関係です。
優れた道具ほど、正しく使うための知識が重要になります。
会計ソフト別のキャリア影響度
転職市場では「どの会計ソフトを使えるか」が書類選考での差別化要因になることがあります。
求人票に「freee経験者優遇」「マネーフォワード導入済み」と記載されている場合、
対応するソフトの操作経験が選考に影響します。
特にスタートアップ・ベンチャー企業の経理求人ではfreeeの経験を重視するケースが多く、
「簿記2級+freee操作経験あり」の組み合わせで書類選考通過率が上がった事例が複数あります。
経理転職・副業の詳細については、このブログの「簿記で稼ぐ」カテゴリの他の記事をご覧ください。
今日から始める会計ソフト学習の手順
- 【今日】freeeまたはマネーフォワードの無料アカウントを作成する
- 【今週中】ダミーの取引を10件入力して損益計算書を表示させる
- 【今月中】銀行口座を連携して自動仕訳の確認・修正を練習する
- 【2ヶ月以内】freee会計エキスパートまたはMFクラウド検定の受験を検討する
簿記2級の合格直後が最もモチベーションが高く、会計ソフトの学習を始めるのに最適なタイミングです。知識が新鮮なうちにソフト操作と結びつけることで、実務への移行がスムーズになります。
会計ソフト操作で差がつく場面:Q&A
Q. 会計ソフトが自動で仕訳してくれるなら簿記の勉強は不要では?
必要です。
会計ソフトのAIは「この取引は売上っぽい」という推測はできますが、
消費税の区分(課税・非課税・不課税)の正しい判断、複合仕訳の処理、
決算整理仕訳(減価償却・引当金・前払費用など)の計上は人間が判断する必要があります。
簿記2級の知識があると、AIが出した自動仕訳の誤りを「見抜けるかどうか」が大きな差になります。
Q. 弥生会計は古い?freeeに移行すべき?
弥生会計は今も中小企業・会計事務所で広く使われています。
「古い=劣っている」ではなく、どちらが正解かはクライアントの環境次第です。
会計事務所への転職を目指すなら弥生の知識も必要で、
スタートアップを狙うならfreeeが重要です。
両方触っておくのが最善です。
Q. 副業の記帳代行でどのソフトの操作が求められることが多い?
クラウドワークスやランサーズの案件を見ると、freeeとマネーフォワードの案件が最も多いです。
「freee使用のクライアントの記帳代行」「マネーフォワードクラウドでの月次処理」という形で指定されることが多いため、この2つをまずマスターすることをおすすめします。
まとめ
- 簿記2級の知識と会計ソフトの操作スキルはセットで身につけることで「即戦力」として評価される
- 主要3ソフト(freee・マネーフォワード・弥生)は用途によって選ぶ。
まずfreeeとマネーフォワードの2つから始めるのがおすすめ - freeeは個人事業主・スタートアップに多く、マネーフォワードは中小法人に多い
- 各ソフトの公式資格(freee会計エキスパート・MFクラウド検定)取得で差別化できる
- AIが仕訳を自動化しても「結果を判断する」人間の役割は残るため、簿記の価値は変わらない
合格後の次のステップとして、今日から会計ソフトの無料プランを使い始めることをおすすめします。
簿記2級の知識と組み合わせることで、実務での即戦力度が大きく上がります。